本の印税って、どのくらい?

本の出版といえば、「印税生活」を夢見ると思います。
でも、「印税生活」だけを考えて本を出版しようと思っているなら、やめておいた方がいいかもしれません。
だって、売れないと、ほんと、タダ働き同然ですから。
「印税で儲かっているのを隠しているだけなんじゃないの!?」と思われたアナタのために、厳しい現状を暴露します。
ちなみに、私は、商人の国(笑)、大阪出身なので、真っ先に費用対効果を考えます。だから、そんなに言うほど、「貧乏暇なし」ではありません(本業に比べると、かなり費用対効果が悪いことは確かですが)。

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印税にまつわる話

まず、印税がいくらなのかを知る前に、本の出版の仕組み(基礎)から知りましょう!

本を発売する前に、印刷して本を作っていきますが、このとき、何部、印刷するのかを「初版部数」といいます。「初版部数6千部」といえば、本の発売のときに6千部、印刷して本を作ったってことです。
そして、本が発売。
めでたく、本が売れれば、追加で本を印刷します。追加で印刷することを「増刷(=重版)」されるって言います。
ちなみに、本を印刷した部数を「発行部数」、実際に売れた数を「実売部数」っていいます。

というわけで、印税の話です。
印税は、初版と、増刷の2つの時点で支払われます。
で、出版の世界が栄えていたころは以下の計算式で、初版の印税が決まったそうです(といっても、今も、この条件の出版社もあります)。

(初版の発行部数)×(定価)×10% ……(A)

で、ビジネス書の場合、初版部数は、5〜6千部、定価は1300円くらいが一般的なので、この計算でいくと、大体、80万円弱です。
しかし、現状は、出版不況の世の中、色々な印税の形態が変化してきています。
具体的には以下。

(実売部数)×(定価)×10%

これ、(A)と、あんまり変わらないイメージを持つかもしれませんが、金額的には、かなり変わってきます。大げさな話(大げさでもないのですが)、千部しか売れなければ、印税は13万円ですから。実売部数と発行部数って、スゴイ違うわけですよ。

実売か、発行部数か……
コレ、仮に本が売れたとしても影響は大きいです。
だって、本屋に並べられている本や、本屋の注文に備えて、出版社が倉庫に保管している本もあるので、「発行部数>実売部数」になりますから。
私は正確な部数はわかりませんが、本の返品率が平均4割ほどだそうなので、「発行部数×0.6=実売数」くらいじゃないでしょうか。仮に、この数値が正しいとすれば、「実売数で、印税10パーセント」は、「発行部数で印税6%」と変わらないわけです。

「でも、本が売れれば、儲かるじゃん!」と思われたかもしれませんが、本のほとんどが、初版で終わる運命です。「初版もしくは増刷1回だけ」というくくりを作れば、そこに、ほぼすべての本が入るんじゃないかなってくらい、ほとんど増刷しません。

なので、入ってくるのは、初版のみと思った方がいいわけです。

「でも、実売じゃなく、発行部数で10%くらい印税をくれる太っ腹の出版社から本を出せば、80万円弱入るんじゃね?」と思った人もいるでしょう。
しかし、労力を考えると、かなり費用対効果は悪いです。

だって、大体、本1冊で、「800文字×210ページ=16万8千文字」の文字数です。
しかも、200ページくらいの内容も考えないといけませんから、大体、本1冊を執筆するのに、3ヵ月かかると言われています。

80万円弱÷3ヵ月=26万円くらい

これが印税の実情です。
なのに、なぜ、多くの人は本を出すのか。
出版を使ったお金もうけ、単なる趣味など様々です。
ちなみに、私は、趣味、世の為、ベストセラーを出したいことの3つです。

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